冬の日本の北海道といえば、多くの人が真っ先に思い浮かべるのは、夢のように幻想的な銀世界と、骨身に染みる寒さの中で浸かる極上の温泉体験だろう。

旅の中で面白さ(あるいは自らトラブル)を見つけ出すのが大好きな迷走客として、この氷と炎が織りなす極上の悦楽を見逃すはずがない。昨晩、私は長旅の末に、雄大な渓谷と雪景色で名高い大雪山国立公園内の「層雲峡温泉」へと辿り着いた。

スムーズにチェックインを済ませ、春のように温かい客室のドアを開けた瞬間、雪の中で一日中駆け回った疲れの半分が一気に吹き飛んだ。

周知の通り、日本の冬の室内暖房は非常に強力で、部屋の中では半袖Tシャツ一枚でアイスクリームを食べられるほどだ。薄手で心地よい浴衣に着替え、豪華な会席料理に舌鼓を打ったばかりの私は、完全にリラックスして夢心地の境地に浸っていた。

窓の外に目をやると、黄色い街灯に照らし出されたシンシンと降る粉雪と、薄っすらと浮かび上がる峡谷のシルエットが見える。写真愛好家ならではのロマンが、胸の奥からふつふつと湧き上がってきた。

「外の雪がこんなに綺麗なのに、ガラス越しに撮るのはもったいないな。反射で画質も落ちるし……そうだ、窓を少しだけ開けて、北海道の純粋で冷たい空気を吸いながら、反射のないクリアな絶景写真を撮ろう!」

観光客なら誰もが一度は抱きそうなこの極めて自然な思いつきこそが、今回の北海道旅行における最も不条理な悲劇の幕開けだった。

私は窓辺に歩み寄り、カーテンを引き、両手で窓枠を掴んで横へと力強く押し開けた。

「ゴォォォォ——ッ!」

その瞬間、マイナス十数度の刺すようなブリザードが、細かい氷の粒を伴って、まるで檻から解き放たれた野獣のように部屋の中へと猛烈に雪崩れ込んできた。薄い浴衣一枚の私の身体を容赦なく直撃する。極限の冷気は確かに目が覚めるほど刺激的だったが、その爽快感を味わえたのはせいぜい3秒。次の瞬間、自分が人間アイスキャンディーになりかけていることに気づいた。

「よし、冷気も満喫したし、写真も撮れた。早く閉めよう!」ガタガタと震えながら、私は窓を引き戻そうと手を伸ばした。

そして……

動かない。

渾身の力で引いても、ピクリとも動かない。両手を使い、体重のすべてをかけて押し戻そうとしても、完全に沈黙している。

先ほどまで滑らかに開いたはずの窓が、急激な温度変化による金属サッシの熱膨張・収縮のせいか、レールに付着した霜が一瞬で氷結したせいか、まるで強力な呪縛をかけられたかのように、「外気取り込み最大化」のベストポジションでガチガチに固まってしまったのだ!

容赦なく吹き込む極寒の風の前に、春のように暖かかった部屋の温度は、目に見えるスピードで急降下していく。薄い浴衣姿で窓辺に立ち尽くし、鼻水すら凍りつきそうな私の脳裏には、果てしない「オワタ(囧)」の文字が浮かんでいた。

リアル脱出ゲームでなかったことだけは不幸中の幸いだが、絶望感は脱出ゲームを遥かに超えていた。まさかこの高級温泉旅館の一室で、真冬の野宿サバイバルを味わう羽目になるのか?

結末はこうだ。私は狂ったようにガタガタと震えながら、震える手で内線電話を掴み、支離滅裂な拙い英語と大げさな悲鳴のような声でフロントに助けを求め、凍死寸前の愚かな外国人観光客を救出してもらうためにスタッフを緊急招集したのだった。

この層雲峡温泉での赤っ恥トラブルは、私に貴重な物理法則と旅の教訓を刻み込んでくれた。極寒の雪国のホテルでは、一時のロマンや好奇心から、生と死(暖気と瞬間冷凍)を隔てる窓に決して手を出してはならない。

なぜなら大自然は、いつだって容赦なく牙を剥いてくるのだから(泣)。

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