もしも何の制約もなく、読書と執筆のためだけの完璧な空間を自由に創り出せるとしたら、それはどのような姿をしているでしょうか。

もし私に自分専用の執筆空間が許されるなら、それは25平方メートルの立方体からなる独立した建築です。

室内の四方の壁は、虚飾を削ぎ落とした純粋な打ち放しコンクリート。過剰な装飾は一切必要ありません。

床は高床式とし、素朴で温もりのある厚手の無垢材フローリングを敷き詰めます。床面はモジュール設計とし、床下には整然とした書架が格納され、電動で必要な高さへと静かに競り上がってくる仕組みです。床下空間には独立した除湿・空調システムを備え、大切な蔵書の紙質を永く保護します。

書架のすべての本はデータベース化され、読みたい本を一瞬で検索して手元に呼び出すことができます。

天井には調光可能な強化ガラスを採用し、天窓からの柔らかな自然光が時間や季節の移ろいとともにコンクリートの壁面に光と影の陰影を描き出します。

正面の壁一面には巨大なピクチャーウィンドウ(床から天井までの全面ガラス)を配置。室内から外を見晴るかせば、連なる黄金色の砂浜と抜けるような青い海が広がり、水平線のはるか彼方で太陽の光を浴びて水面がきらきらと輝いています。

室内に余分な家具は置かず、中央に極上の座り心地を誇る一人掛けのソファをひとつ置くだけ。固定の机すら要りません。作業台が必要になれば、床下の本棚を好みの高さまでせり上がらせるだけで、そのまま端正なテーブルへと早変わりします。

壁際には独立したカウンタートップを設え、給排水シンクや小型冷蔵庫、そして多彩なハンドドリップやエスプレッソの抽出器具を完備。その時の気分に合わせて、最高の一杯をいつでも淹れられるように整えておくのです。

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